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言語選択    

マレーシア多言語社会の問題


マレーシアの多言語文化で興味深いのは、それぞれの民族、中国系は中国語、インド系はタミール語のカテゴリーにだけ単純に分けられないということです。
教育の選択は自由なため、中国語は話せるが読めない中国系、クリスチャンに多いですが、すべて英語教育で育ち、中国語がまったくできない中国系、タミール語に関しては、特にインド系の民族学校出身のマレーシア人は人口比からも分かるように、少数であり、タミール語の読み書きができるインド系は稀です。

英語に強いインド系が多いのもやはり少数派のタミール語での教育の設備が整っていないためでもあります。
数としては少ないですが、将来を見据えて、インド系やマレー系の子女をビジネスで強い中国語の習得を目的に中国系の小学校に入れる家庭もあり、民族の枠を超えて色んな言語を選択する人も増え、非常にバラエティに溢れます。

また、多言語社会で色んな言語で切り替え生活することは当たり前ですが、家庭内でも上記の教育環境から、色んな言語が飛び交っている家庭も少なくないです。
中国系マレーシア人の一例で見ると、親と話すときは広東語、中国語系の学校出身のため、兄弟姉妹間では中国語、メイドさんにはマレー語で話し、小学校以降の進学先で出会った友人たちとは相手によって、英語、マレー語、中国語を使いこなすといった具合です。

単一言語で過ごす日本人の私たちからは信じられないくらいうらやましくも感じる多言語の世界ですが、彼らなりの悩み、またはマレーシア社会の問題ともなっていることもあるようです。それは、親しくなったマレーシア人に言われた、「単一言語で深く考えることができるあなたがうらやましい」という言葉に集約されていると思います。

中学以降はマレー語が必須になるものの、深く学問を追求していったり、高等教育を受けるとなると英語で出版された書籍を読まなくてはならず、英語の高い能力も必要となります。確かにマレーシアの本屋を覗くと、英語で出版されている本、または輸入本が多いです。つまり、本を読むようなタイプの人は圧倒的に英語を通して知識を身につけているということです。

大学やそれ以上のレベルで勉強するとなると必然的に海外に出ることとなり、またブミプトラ政策の影響もあって、知識層の海外への流出やマレー語の衰退にもつながります。
こういった問題が、多言語社会マレーシアではあり、それを危惧した当時の首相マハティール氏が、突然、理科と数学のみ小学生から英語で取り行うと発表したことも記憶に新しいです。

実際2003年から約8年間行われましたが、教える側の教員の英語能力がついていかず、大混乱を巻き起こし、終焉を迎えました。マレーシアの多言語社会の在り方は、日本人にとって非常にカラフルで魅力的ですが、そこにさまざまな問題が内在するということを知るのもマレーシアを理解する上で非常に大切なことです。